読書が好きでした。若い頃から私は、本からいろいろなことを学んできました。
私が読み手から作り手に変わったのはいつ頃からだろう?
原点を探っていくと、昔、取材で訪れた森林の中にありました。
当時の私はPR制作会社に勤務していました。
あるクライアントの仕事で、日本の農家や林業の現場を取材する時期がありました。
PR誌の取材をするわけですから、相手はその分野で実績のある方々です。
いわばやり手、ある意味、ベンチャースピリットにあふれる方々でした。
そんな方々の言葉がとても刺激的だったのです。
派手さはありませんが、身体の奥を揺り動かされるような感動がありました。
企業のPR誌の取材ですから、その企業のねらいから外れる内容は 文章化されません。しかしそこからこぼれた、心ゆさぶられる話は、
都会に住んでいる、農林業に縁のない人にこそ届けたいと思ったのです。
私が感動した話をまとめて、知り合いの出版社に持ち込んで1冊の本にしました。
思えば、それが私の本作りの原点です。
市井で懸命に生きる、知られざる人たちの取り組みや想いに焦点を当てた
本があってもいいと切に思います。
せせらぎ出版は、誰もが1冊の本にできるサムシングをもっていると
真剣に思っています。
自分の想いを本というカタチにしたい。
そんな方々の想いに心底寄り添って、その方のサムシングを
伝えるお手伝いをしたいと考えています。
代表取締役 岩本恵三