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文芸・自伝
仕事のためだけに生きていた日々には、決して思い出されることのなかったれんげ畑や満月を、今、目の前にありありと感じるのです。人生は美しかったのだ、と気付かせてくれる光景なのです。
私は今、こうして生きている。こうして言葉を発している。
そのことが大切であって、将来の不安というものは、頭の中にあるだけの妄想だったとわかったんです。だから、がんになる前よりも心は救われて、澄み渡っています。
自分が狭い固定観念に縛られていたと気が付けば、本来の生命力が戻ってきて、自由に生きることができます。
本当は私は自由だったんだ、という真実を知ることで、人は救われるのだと思います。
(第2部「晴ちゃんからの伝言」より)