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福祉・障害
執筆する中で、なぜ今まで障がいに配慮した防災教材がなかったのか、その理由もわかるようになりました。障害と言っても、一人ひとり、その種類や程度が異なり、必要な配慮や対策も千差万別で、どこに焦点を当てればいいのかが非常に難しいのです。本書では、普通学校に通う軽度発達障害を持つ子でもわかりやすい内容を意識していますが、それでも内容の精査には苦心しました。安全教育の専門領域では、「児童・生徒の障害の種類や程度、特性に応じた柔軟な教育を行うことが肝要である」との一文で済まされてしまうことですが、では、一体どうすればいいのか、この点が、現場の先生方も苦労するところなのだと痛感しました。
しかし、危険に気づきにくい子や避難の方法を理解できない子は、災害発生時により命の危険が高まるため、きちんと教育を行うことが必要となります。本書を利用した学習で少しでも防災の力が身につけばと思います。(「あとがき」より)